Creepy Nutsのライブに行ってきたよ(はじめてのえんせい)
どうも。タイトル通りの話です。ゆるいレポと感想です。あと旅行記。
去る3月23日、Creepy Nutsのレコ発ツアー「いつかのエキストラ、ライブオンステージ。」に行ってきました。ファイナルの恵比寿リキッド行きたかったのですが、先行でソールド。キャンセル分も即完売だったので高崎まで馳せ参じました。
遠征(日帰りですが)バージンをまさかラッパーに捧げるとは思いもしませんでした。マジ人生何あるか分からねぇ。新幹線切符を取り、ドリ代ロッカー代テケツを持って電車に乗りました。
開演前観察記
高崎駅に降り立ち、まず寒さにやられました。北関東寒い。寒すぎるよ!トイレに入ったら地元のJKが黒タイで南関東のソックス文化に育てられた私はカルチャーショックを受けました。駅で若者を見るとみんなライブに行く人かしら……と心なしかそわそわします。マイルドヤンキーの姿もちらほら。小生は南関東の某タオル回しちほーに住んでいるのですが、どこか雰囲気が違うなと感じました。北関東のマイルドヤンキーの方が「重い」んです。うまく言葉にできませんが山の者と海の者の違いでしょうか……。旅は新たな発見や気づきを与えてくれます。
会場どこかしらとスマホ片手にうろうろしていたらヘッズな会話をしているアベックが。ついていったら会場に到着。こういった現象はどの界隈でもあるんだなぁとホッとします。客層に関して第一印象は「思ったより普通の人が多いな」といったものでした。自分と同年代の女子大生っぽい子も見かけます。いかにもヘッズっぽい人やマイヤンぽい人もちらほら。地元の高校生が高崎のほかのハコだとドリ代こうだった、など話しててほほえましいーーー!!!!かわいいーーーー!!!!!と齢二十歳ながらBBA精神丸出しになりました。地元の人にとって全国ツアーはオラが町にあのバンドさんがくっぞーーー!!!な意味合いがあるんですね。ほっこりします。あの箱はああだぞ、この箱はこうだぞと地域に根差したハコ文化や音楽文化がこういう風に生きてるんだなぁとしみじみしました。高校生のころからこんな音楽体験できるって、いいなぁ。
会場に入るとけっこう思ったより「ドンキ」率高いぞ!?とビビりました。あと若者が多い。お前も若いだろと言われそうですが精神がおじさんなんです。察してください。元々還暦超えやアラ還のテクノおにいさんやおねえさんを追いかけている人なのです。普段行くライブ会場にはアラ還をリアタイで追ってきたおにいさまやおねえさま、そしてアラ還を追いかける奇妙で素敵な若人がごった煮となっているのです。要するに「ヴィレバン」寄りで真面目な人が多い。現場及び客層の違いにカルチャーショックを受けました。開演前に友達と一緒に写真撮ってsnowで盛るとか……オラ初めてみっぞ、いろんなちほーにいろんなヒトのフレンズがおるだべなーと思いました。*1
馳せ参じたのは高崎club Fleezというハコなのですが、カーテンがあって開演時しゅるしゅるーって開くのが面白いなと思いました。照明やつくりがいかにも「ライブハウスらしいライブハウス」で若手バンドさんがやるのにぴったりなハコだなーと感じました(でも若手バンドのポスターに交じってcali≠gariみたいなV系のポスター交じってたのがオツだった)。あとステージ両端に液晶モニターがあって全体が見れるようになっててよく出来てるなーと感心しました。段上最前列で見てたのですが、奥の方までは見えないのでありがたかったです。
2017.03.24
— CreepyNuts R-指定DJ松永 (@Creepy_Nuts_) 2017年3月23日
全国ツアー2017
「いつかのエキストラ、ライブオンステージ。」群馬公演にお越し頂いた皆さま、有難う御座いました!!
次は、長野県にお邪魔します!
photo by 東美樹 pic.twitter.com/0zuPmhvfgS
さぁ開演だ
最初に対バンのパノラマパナマタウンさん。さん付けしていいんだろうか。神戸のバンドさんで、次は下北沢シェルターでライブとのこと。気持ちがおじさんなので若いバンドさんや彼らのファンってこんな感じなんだーと見ていました。ヴォーカルのお兄さん垢抜けてるなぁ、さすが港町神戸だなぁと思っていたらMCで北九州の出身と仰っていて一瞬「え?」となりました。シャッター街の餅屋の息子さんとのこと。「餅は餅屋」と言いますがこのご時世現実に餅屋って存在するんだ……と正体不明の感動に襲われました。ギターよりもベースの方が活発な感じで珍しかったです。ギターの方がどことなく坂本慎太郎ぽくて、もし私がこのバンドさんのファンだったらギター推しだなとかぼんやり考えてました。
さてお待ちかねCreepy Nuts。転換が終わり暗くなると圧縮が起きてびっくりしました。いい具合に埋まってるフロアが8割ぐらいに圧縮されて前にできたスペースを呆然と見ていました。これが……人気!戸川純ちゃん様のライブ行った時以来の圧縮です。セトリはこんな感じ。(MC含めうろ覚えなので自信はありません。間違ってたらコメントください。)
1.助演男優賞
2.たりないふたり
3.お題フリースタイル(北関東代表、さくら、土方歳三、紗倉まな、ポカリ)
4.中学12年生
5.どっち
6.教祖誕生
7.みんなちがって、みんないい。
8.爆ぜろ!!!
9.トレンチコートマフィア
10.合法的トビ方のススメ
11.朝焼け
12.未来予想図
en.リライトのリライト
(トレンチ、爆せろ、合トビが自信ない)
助演男優賞で登場。みんな助演ダンス踊るのかなと思ったらそうでもなかったけどブチ上がり具合が半端なかった。
「今日は主演でいいですかー!」というRさんのMCに盛り上がるお客さんたち。「Creepy Nuts、またの名を『たりないふたり』でございます」とまるで芸人のごとく自己紹介。
対バンのパノラマパナマタウンさんを「台に上がったらお腹を触られるんですよねwwそんなぽちゃぽちゃした自分と違ってお肉もついていないイケメンがカッコいい音楽やってくれました」「あんな上手なラップされたらやりずらいww」と称えるRさん。人当たりいいし世渡りほんと上手そう(だけど一皮向くと毒を抱えてるのがチャーミングなのですが)。「でも紙に書いてない歌詞でもラップできますよ。あ、後で謝っとこ(楽屋側向く)……」松「さっきの曲もだけどほとんど紙に書いたラップやってるけどなw」R「まぁなw」と自虐しつつお題フリースタイルへ。すごくこの人世渡り上手いぞ。
聖徳太子ことお題フリースタイル。お客さんのバイブスが半端なかった。みんな先生に指されたがってる子どもかよってほど。後ろにいた高校生くらいの男の子が「あーる!!!!!」と絶叫してて指されたら楽しそうに「紗倉まな!!!!!!!!」とリクエスト。場内爆笑。R「俺でも紗倉まなで抜いたことないねん」の一言に衝撃が走る。「もっとシュッとした顔の方が好き」とのこと。松「いやRさんはヒップホップ界の紗倉まなですよ」R「いやいやww」松「紗倉まなは高校時代にAVデビューして、Rさんも高校時代にバトルで優勝して。すごい人は高校生の頃から結果を残すんですよ」若干イジリも入ってない気がしなくもないけどお二人の互いをリスペクトしあってる感や仲の良さが好きだなーと改めて実感。
お客さんとコミュニケーション取る能力が半端なく高くて何なのこの人……と舌を巻きました。「北関東代表」の話の流れでR「またの名をNAIKA MC……すごい人ですよ」(ちょうどダンジョンがパンチラインフェチズ回だった)。群馬から来た人どのくらいいる?と聞いたとき7割くらい手が上がってた。長岡から来ました!なんて子も。何中?と聞く松永さん。「○○中?あそこ体操服ダサいよな」「体操服ダサいから△△中(松永さんの母校)は○○中を下に見てた」と安定の松永節。Rさんフォロー入れてた希ガス。お題フリースタイル、Rさんが韻踏むたびにすげーーー盛り上がってなんかよく分かんないけど即興で韻踏んでてすげーーーーと思いまっま(小並感)。
その次に松永さんのDJルーティーン。なんかよく分からないけどすごかった。むちゃくちゃこすってスクラッチ入れてた。この人ただのチェリーボーイじゃないんだ……と再確認。数日前にミキサーがぶっ壊れたと悲しみのツイートをされてましたが滞りなくキレキレでした。
中学12年生とどっちはほんと大好きで、肩身が狭い人間のアンセムだと思ってるので連続で聞けてスゲーうれしかった。ノックしろよババア! が音源よりガチ切れ気味でかわいかったな。ドンキもヴィレバンも好きなんだけどムカついちゃうからこんな表現になっちゃう……!とのこと。この人たちほんと歪んでるなぁ(ファンです)。
幸〇の科学ネタを挟みシャーマンと化したRさん。教祖誕生からみん~みん~へ。「アンチ、ヘイター?黙らす!はねっかえりが、このカス!」のとこが煽り2割増しでした。みん~みん~、もはやロバート秋山の物まね芸の域。イベントノルマ50枚おじさんのとことかうさん臭さと浪速感がマシマシだった。メンヘラちゃんの時前傾姿勢の貞子みたいになって前髪ぱっつん自撮り盛る系じゃなくてRさんの考えるメンヘラ像ずいぶん古典的だなーと感じました。あとクリーピーナッツベイビーズの時みんなで手を横に振るの楽しすぎだろアレ。松永さん最高の笑顔で手を振ってた。
1番びっくりしたのはトレンチコートマフィア。まさかやるとは思わなかった。コロンバイン高校事件を下敷きにスクールカーストで虐げられる側の恨みつらみと反逆をつづった歌なのですがプラスな曲になるとは思わなかった。初めて聞いたときはすごく怨念ドロドロ陰惨な歌だな……と思ったのですが自分を虐げる「どうかしてる世の中」に対し自分なりの「武器をとれ」と呼びかける応援歌になるんです。まさかこの曲に勇気づけられるとは思わなかったしRさんが「マイナスをプラスに変える」同志をそう呼ぶのも深いわ……と感じました。「ドレスコード無しだ」って言ってくれるのがマイヤンにまみれ小さくなるクソオタクにとっても嬉しいところです。
合トビ。さすがキラーチューン。モンドで倦怠感溢れる退廃的なトラックが松永さんのコスリでキレキレに化けてたのが驚き。「巻いて焚いて吸って吐いて炙って打っておっかないぜ」でクッソ盛り上がる。「洒落てなくて小汚くて土臭くて品がない」健康優良精神的不良少年少女に向けた同志Creepy Nutsの革命歌だと思ってます。
朝焼け、未来予想図で一気にシリアスに。しんみりコッテリ聞かせる様はフォーク歌手のようでもありました。未来予想図については以前こんな不満をツイートしました。
あーるさんは負けん気の強さが原動力だろうし、未来予想図は元々の仲間の大事さ、ありがたさへとつながってるけどこう……近場の人間だけじゃないんだよ!距離は遠いけど最近あんたのこと知ったファンもあんたのこと応援しとるし好きなんだよ!って言いたくはなる。>RT
— ごるじたい (@saibou_111) 2017年3月21日
ただMCで「半径50m以内の人、地元の仲間や彼女や家族、友達、こうしてライブに来てくれる皆さん」と言ってくれたので溜飲が下がりました。ごめんよめんどいファンで。ぐっと聞かせてしっとりした雰囲気で本編は終了。
予定調和かつ熱いアンコールの声にお応えし再び登場。未発表曲やります!とのMCに盛り上がるお客さんたち。アジカンのリライトのリライト。トリビュート盤に参加するにあたり、曲選ぶ際「俺たちの世代はやっぱこれだべーーーwww」みたいなノリで選んだら誰も恐れ多くて選んでいなかった。自分らよりキャリアの長いバンドさんも避けてたのにやべぇよ……しかも歌詞書き換えちゃったよ……と戦々恐々してるけど自信作とのこと。偉い人たちに「君たち、勇気あるねぇ、うん。いいと思うよ」と言われたらしい。彼ららしい……。アジカンに関してはボーカルが相撲好きなこと以外何も知らないのですがよかったです。適当にノリつつ私より若いお客さんも知ってるんだなぁ……と思いました。改めてロキノン系を素通りしてきたのを痛感。だっておじさんだもん。しんみり系からまたブチ上がって終了。ドリンクカウンターに向かう子たちがみんなヤバい、最高だったと口々に言ってました。
雑感
今回ライブで驚いたのはRさんのMC力・煽りスキルの高さ。前々からトークスキルが半端ねぇ人だなぁとは思ってましたがまさかここまでとは。おみそれしました。他にヒップホップの現場に行ったことが無いので分からないのですが、ラッパーってもっと淡々と俺カッコいいだろ?あ゛?と雰囲気で殴りこむイメージだったので意外でした。松永さんのドジも即MCのネタにしてちゃんとつなげる即興力まであります。そして「伝える力」がほんと凄い。馬鹿丁寧なほどに曲の背景や自分たちの考えを説明するのです。しかしそれがぜんぜんまどろっこしくなくおもしろい。時にコントを交えつつさらっとメッセージを伝えるのです。マジRさんセミナー開けるのでは(やって欲しくないけど)。そもそも伝えたいことがあるからラッパーはマイクを取るのでしょうが。自分たちが曲に込めたメッセージをちゃんと届けたい!といった強い意志を感じました。
「Creepy Nutsのライブはショー」と呟かれてる方がいまして。お笑いコントかと思いました。エンタメの偏差値がカンストしてる……!さすがプロデュース大好きっ子Rさん……!と舌を巻きました。おそらく彼の「手のひら返させたる」根性とアウェイな現場でやってきた経験の賜物なんでしょう。ヒップホップだけでなくフォークや歌謡曲、色んなものから学んだんだろうなぁとしみじみしました。学校のお楽しみ会とかに来るむっちゃうまいコント劇団かと思いました。てかRさんこのライブの数日前ようこそ先輩課外授業してた。きっとその経験も活きたのでしょうね。齢25と26でここまでのライブ見せられると将来が末恐ろしくも楽しみです。何はともあれCreepy Nutsのお二人、お疲れさまでした!この記事でライブの雰囲気や楽しさが伝われば幸いです。
*1:驚いたのはCreepy Nutsのライブ写真を見て結構ナードやサブカルっぽい人もいるなーと思っていたからです。高崎は年齢層低くて「ドンキ」率高かったとツイートされてた方もいたので他の現場だともう少し違うのかもしれません。