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真木よう子の謝罪文を校正してみる

真木よう子コミケ出店に関する謝罪文が、あまりにもアレだったので(自分のことは棚に上げて)校正してみました。文章読本を読んでいたせいか、揚げ足取りになっています。ツッコミの後に改正案を載せております。

 

私の文法知識はファジーなので、へぇ~くらいに受け取ってください。ことばおじさんの方がきっと詳しいです。「ここ間違ってるよ!」なところがありましたら、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

 

謝罪文はお手本のような悪文で惚れ惚れしました。内容としてはそこまで悪くないのですが、悪文のせいで台無しです。では見てみましょう。

 

悪文―裏返し文章読本 (ちくま新書)

悪文―裏返し文章読本 (ちくま新書)

 

 

 


原文はこちら。

camp-fire.jp

 

 ワタクシの気持ちを皆様に、キチンと私自身の言葉で皆様にお伝えさせて下さい。

「皆様」が重複。「ワタクシ」と「私」の表記不一致。
「お伝えさせて下さい」敬語表現としてダブり(のはず)。「お」は尊敬語。「下さい」は丁寧語(補助動詞の「ください」はひらがなに直すらしい)。

 

先ず、今回、コミックマーケットを選んだ
理由ならば以下の通りです

「先ず」をなぜ漢字表記ににするのか。「ならば」が不要。
真木よう子の文章は読点と接続詞が必要以上に多い。

 

私の様な所謂「有名人」や「芸能人」は、皆様に画面越しででも、紙面越しででも、規制が入ってしまいます。

「様な」「所謂」「越し」はひらがなに直した方が分かりやすい。主語の重複(ここは大丈夫かも)。「皆様に」の後の省略が分からない(お伝えする際、とかだと思うんだけど)。
意味の重複、言葉の反復が多い。

 

其れは、芸能事務所に所属していれば当たり前の事であって。
しかし、本当に己が良いと思うものにまで規制がかかり
皆様にお見せ出来ないフラストレーションを、正直抱えていました。
そんな折、コミックマーケットと、いう自分で好きな物を作って、皆様にお渡しできる場がある事を知り、
是非。応募しようと思ったのです。
しかし、今回の一連で最も責任を負うべきなのは、私です。

「其れ」はひらがなの方が(ry。
急に文体が変わるのはなぜ……。
ここで「しかし」を使わなくてもいい気がする。
「ものにまで」ここも省略のせいか?分かりづらい。
「と、いう」がお手本のような誤用。
なぜ読点で改行し、「是非。」で句点をつけるん……?
ここでの「しかし」を使う理由が分からない。前文の何を否定してるのかが不明。
「なのは」も不明。真木よう子は「なのは」「ならば」とか、「な」が好きなのかな。

 

8月12日の夏のコミケに行って会場を見ただけで、コミックマーケットの昔からのルールや、マナー等、一切勉強をせず
安易な気持ちで応募してしまいました。

 「行って会場を見ただけで」意味の重複。どちらか片方で充分。

 

私はTwitterを、始めて、
ただ自身の本音やらを上げていただけなのに。何かしら皆様からの見返りなんて初めてから今迄求めていませんでした。
だけど、私は今、間違いなく
このTwitterにいる方々に救われているし無償の愛。応援を沢山、沢山貰いました。
だから。皆様に会いたい、会って笑顔で御礼を申し上げたい。
その気持ちが大きくなり過ぎ、
その場所をコミックマーケットに選んでしまったのです。

 読点が多い。文体のブレ。
「初めて」の誤用。
「なり過ぎ、」で文をつなぐのは違和感。
「その場所をコミックマーケットに選んでしまったのです」
「その」の重複。てをにはに違和感。

 

エモみがあって内容としてはステキだと思います。
ストレートで、自分で制御できないほどエモが激しい人なんだろうな。きっと。
女優さんとしてはそれで正解なのかもしれない。

 

これが、大きな間違いで、
コミックマーケットを愛する皆様からお叱りを受ける事は当たり前でした。
ファンイベントか、別の場所で出来ないのですか?
と、言われます。
しかし、女優という職業は、事務所の方針もあり、ファンクラブを自ら作る事は出来ず、故にファンイベントの様な催しは出来ないのでした。
なので、コミックマーケットでお会い出来たらと思ってしまいました。

 

「ファンイベントか~」の流れに違和感。
「しかし」「故に」「なので」数文で3つも接続詞を詰めている。
「事」「出来ず」「故に」「様な」はひらが(ry。

 

個人的に気になっていたところなのでビックリしました。
女優さんってFC作れないんだね。事務所によって違うんだろうけど。
事務所に改善してもらうよう頼むか、ダメなら移籍……って手があるのでしょうけど、難しいんでしょうね。

 

しかし、そもそも主旨が違うし
コミックマーケットでやるべきではないと指摘されるのは当たり前でした。
そもそも、コミケも、クラウドファンディングも知らず、そこから生まれる批判を予測できなかった
全ては、全ての事に対し、無知な私の責任です。
醜態を晒し申し訳ありませんでした。

 「しかし、そもそも」接続詞の連続。
2文目は同内容の分が前にもあるし省略してもいい気がする。
コミケも~知らず~予測できなかった、無知な私の責任です」が主文なのに、「全ては、全てのことに対し~」が挿入され分かりづらくなってる。
内容も重複しているし省略していいのでは。
真木さん「そもそも」好きだなぁ。

 

クラウドファンディングで本を作ると聞いた際は、「ミュージシャンや映画監督もクラウドファンディング使ってるし(コミケじゃなければ)別にいいんじゃねーの」と思いました。いわゆるミュージシャン・映画監督的なノリをコミケに持ってきちゃったのがマズかったのではと考察していたのですが、まさかクラウドファンディングについても知らなかったとは……。
どの程度なにを「知らなかった」のはこの文脈では不明なので、何とも言えませんが。

 

しかしながら、許されるのであれば、私を応援して下さる方々がいる以上
全てを無しにする事は、応援して下さっている皆様に申し訳がつかないので
クラウドファンディングで、「一緒に作品作りが出来る」と、捉えて下さる方がいるのであれば、フォトマガジンは、皆様と共に作り上げ、コミケではなく。皆様へ届く様にしたいです。

 

1文が長いよ!!!!文が頭に入ってこない!!!切って!!!
「あれば、」「ので」など接続詞が多用され、文が蛇行してる印象を受けます。
重複が多いので文のダイエットをしましょう。
句点を読点代わりに使うクセがまた。

 

「許されるのであれば」って誰に許しを乞うてるんだろう。叩いた人かな。もしそうであれば、表現者としての自覚が強そうだし、何と言われようと(人に迷惑をかけない程度に)我が道を貫いてほしい。
どうせ叩いた外野の人は喉元過ぎれば熱さを忘れます。人に迷惑かけなきゃええだけの話じゃないですか。

 

騒動を聞いたとき、真木さんはファンの人と直にコミュニケーション取りたいゆえにこうなってしまったのかな、と見ていました。予想通りでした。
ある意味ファン思いのエモみが深い人だとお見受けしました。

 

そして
コミックマーケット様。
並びにコミックマーケットを愛していらっしゃる方々。参加している方々。に、
深く謝罪を、申し上げます。
この度は、
軽い気持ちで参加を希望してしまったを
深く謝罪を申し上げます。
誠に誠に
申し訳有りませんでした。

 一番大事な結びの部分でなぜ初歩的なミスしちゃったのよう子!!!!
「参加を希望してしまったなぜ!!!!!
この人は言葉を重複させることでエモみを醸し出す癖があるけど、それが如実に出てる部分。
コミックマーケットを愛していらっしゃる方々。参加している方々。」のところに「モーニング娘。」みを感じて笑っちゃいました。ごめん。

 

まとめとして、よう子文体の特徴として以下の点があげられます。

ここをパクればキミもよう子になれる!!!

 

・読点と接続詞が必要以上に多い。
・改行も多い。読点代わりに使ってる?
・句点の誤用。読点代わりに使ってる。
・段落が皆無。
(ネットで一字下げするかどうかは微妙だと思うけど、塊に分けた方がいい)
・装飾過多。

・「様な」「所謂」など漢字の多用。ひらがなの方が分かりやすい。

・「なのは」等の多用。「な」がすき。

 

改正案はこちらです。もっとよう子文体のエモみを出したかったけど無理だった。

よう子文体と分かりやすさの共存は難しいのかな。

私の気持ちを、私自身の言葉でキチンと、皆様に伝えさせて下さい。

 

今回、コミックマーケットを選んだ理由は以下の通りです。

 

映像や活字で皆様にお伝えする際、私のような、いわゆる「有名人」は、規制が入ってしまいます。

 

それは、芸能事務所に所属していれば当たり前の事です。
本当に自身が良いと思うものを、規制のため皆様にお見せできない、というフラストレーションを抱えていました。
そんな折、コミックマーケットという、自分で好きな物を作り、皆様にお渡しできる場があると知り、ぜひ応募しようと思ったのです。

 

今回の一連で最も責任を負うべきなのは、私です。
8月12日に夏のコミケに行っただけで、コミックマーケットの昔からのルールや、マナー等を一切勉強をせず、安易な気持ちで応募してしまいました。

 

私はTwitterを始めて、自身の本音やらを上げていました。皆様からの見返りは始めてから今まで求めていませんでした。
私は今、間違いなくTwitterにいる方々に救われています。無償の愛や応援をたくさん、たくさん頂きました。
だから、皆様に会いたい、会って笑顔で御礼を申し上げたい。
その気持ちが大きくなり過ぎて、コミックマーケットを選んでしまったのです。

 

これは大きな間違いでした。
コミックマーケットを愛する皆様からお叱りを受けるのは当然でした。

 

ファンイベントか、別の場所で出来ないのですか? といったご意見もいただきました。
女優という職業は、事務所の方針もあり、ファンクラブを自ら作ることはできません。したがって、ファンイベントも開催できません。
ゆえに、コミックマーケットでお会い出来たら、と思ってしまいました。

 

そもそも主旨が違うため、コミックマーケットでやるべきではない、と指摘されるのは当然でした。
全ては、コミケも、クラウドファンディングも知らず、そこから生まれる批判を予測できなかった、無知な私の責任です。
醜態を晒し申し訳ありませんでした。

 

私を応援して下さる方々がいらっしゃる以上、全てを無しにすることは、ファンの皆様に申し訳がつきません。
クラウドファンディングを、「一緒に作品作りができる」と、捉えて下さる方がいらっしゃれば、フォトマガジンは皆様と共に作り上げ、コミケではない形態で、届くようにしたいです。

 

そして、コミックマーケット様。
ならびにコミックマーケットを愛していらっしゃる方々、参加している方々に、深く謝罪を申し上げます。
この度は、軽い気持ちで参加を希望してしまったことを、深く謝罪を申し上げます。
誠に誠に申し訳有りませんでした。

真木よう子

今回の炎上騒動を心苦しく見てました。当初は「え!?」という感じだったのですが。


コミケ参加勢やオタクのバッシングが見ててつらくて。叩かれて仕方ないなーとは思いましたが。先ほども述べた通り、「クラウドファンディング」という商業でやってる方法を趣味の同人界に持ち込んだのはアチャーと思いましたし。以前参加された有名人の方々に比べ、リスを示していないとも思いました。同人というグレーゾーンの場所はいくらライトになろうが村社会です。「郷に入れば郷に従え」が顕著なところだと思います。

 

異文化・文脈理解の欠如による哀しきボタンの掛け違いなのかなーと思いました。最近、炎上案件を見てると「きっと燃やした側はそこまで悪気ないんだろうなー」と思うことがよくあります。

 

ネットヘビーユーザーに叩かれる価値観でも、それが生まれるに至った文化や過程があるのでしょうし。知ったら「ああ、仕方ないな」となるかもしれませんし。言葉足らずで誤解されている状況を見ると悲しくなります。どうしてみんなそんなに怒るんだろう。他の人の不倫がそんなムカつく?しょせん他人だし勝手にさせときゃいいじゃん。そんなに不快?そう言う割には自分から見に行ってない?まぁこれは自分にも言えることなのですが。炎上が多くてピリピリしたインターネット、つらい。

 

謝罪の王様」という映画で、芸能人の謝罪を扱った話があります。高橋克実演じる大物俳優と、松雪泰子演じる大物女優の息子が暴行事件で捕まり、二人が謝罪するという内容です。ただ二人とも謝罪がトンチンカンで空回り。謝罪のプロ阿部サダヲ演じる主人公にプロデュースをお願いするもどんどん空回って悪循環に陥るのです(そのトンチンカンぷりが絶妙なあるある具合で笑える)。

 

謝罪の王様 [DVD]

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もはや何を謝ってるのか謎の謝罪合戦を繰り返す二人。そこに被害者の男性が現れます。被害者を前にし謝ろうとする二人。しかし被害者は「自分が悪かった」と謝るのです。酔っぱらった被害者が加害者にウザ絡み。最初は写真撮影にも応じるのですが、被害者が加害者の両親の悪口を言って堪忍袋の緒が切れ、ついに暴力をふるってしまった、というのが事の顛末でした。どっちにしろ暴行はいけませんが。

 

クドカンが書いたフィクションですが、世間の炎上騒動というのはたいていこういう一面があるんじゃないかなと思うのです。もちろん全ての案件がそうだとは思いませんし、うまく言えませんが。

 

謝罪含めコミュニケーションというのは難しいなと痛感します。異文化に触れやすくなった分、文脈を理解せず無邪気に自分の価値観で土足で踏み入れるとメッタ切りにされます(「ローカルルール」の是非はまた別問題ですが)。直に言葉を伝えられる便利な時代になったぶん、言葉の扱いに注意しなくてはいけない時代になったなと思います。私みたいに文章から書き手の性格を妄想する、気持ち悪い人もいるしね!!!