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呼び起こす会話 音楽やアート

勝負事ブラボー (将棋をチラ見し思うこと)

将棋が気になる。きっかけはもちろん藤井聡太四段フィーバーです。29連勝を決めたときの対戦相手、増田四段が1つ下なので、気づけばアイドルも高校球児もAV女優もみな年下(©R-指定)な気持ちに襲われる。何はともあれ同年代の頑張りは見ててこっちもハッパがかけられるし嬉しい。ただ同年代の棋士や関取が「プロ」として厳しい世界で仕事してるの見てるとビビるんですけどね。いくら好きなことで生きているとしても、激しい競争があって高いものが求められてそこでプロとして生きてる同い年の(それも才能に溢れてる)子と自分を比べるとため息一つつきたくなる。これから好きなことで生きていけるかなぁとか、好きなことを職にすべきなのかなぁとか、そもそも好きなことを好きなことって言い切れるのかなぁとか。色々考えてしまう。その上才能あるのかな、とか青臭くて生意気なことまで考えはじめてしまう。いかんいかん。
 
 
話がそれてしまったが、「将棋、楽しそう……」といま指を加えてファンの方を見ています。コンテンツの面白さだけでなく、最近はファンの人の楽しそうな様子が気になってハマることも多い。ファンの方が嬉々としてプレゼンしてる様子みると嬉しくなる。そんなに楽しそうならおらも足突っ込んでみようかなと思えてくる。ファンのファンになってファンになるんですよね。twitterで気になるファンの方の推し語りやプレゼンをふぁぼるようになってから全てが始まる。
 
 
そもそも私、「男たちが」「リスペクトを込めて」「本気で殴りあう(比喩)」コンテンツが好きなんです。平たく言っちゃうと勝負事が好き。相手のことを尊敬してて愛してる(比喩)ゆえに殺しあう(比喩)男たちを見ればカンマ5秒でサムズアップします。地位やプライドや生きざま全てをかけて戦う男が好き。絶対に負けられない闘いで見せる意地が好き。残酷な世界で必死に生きる姿が好き。勝負にまつわる結果を超えたドラマが好き。因縁が好き。戦いを重ねるほど憎みあい愛しあう(比喩)な男たちは最高。勝って鼻息荒い姿も好き。負けて悔しがる姿も闘争心を感じさせて好き。余計なお世話だしはねのけられるだろうけど抱き締めてやりてぇ。勝っても負けてもポーカーフェイスでも最高。
 
 
相撲やMCバトルは、そのもの自体ももちろん面白いけど付随するドラマが好きなところもある。いま、将棋に同じ匂いを感じている。猛烈に感じている。師弟、同期、同門などどこかで聞いたことあるワードが飛び交っている。
 
 
勝負事の面白いところは、勝ち負けの世界の上に哲学が生まれるところだと思う。勝っても美しくなければ無価値という哲学をもつ人がいれば、結果が全てといった冷徹な勝負哲学を持つ人もいる。絶対的な正解が無い世界で矜持をかけ美学哲学がぶつかり合う。そこで白黒がつけられる。しかし人生としてはどうなのか?生き方としてどうなのか?そこにドラマは生まれるが勝敗はつかない。白黒つく世界で人が織り成すグレーゾーンのすべてが愛しい。
 
 
とりあえず試験レポートが落ち着いたら聖の青春読みたい。他にも愛ゆえに本気で殴りあう系コンテンツあったらぜひプレゼンして下さい。あと将棋について燃え/萌えエピや初心者向けのルール本とかあったら教えて下さい。あなたの熱きプレゼンがわたしを動かします。お待ちしております。

近況

特に大したことはないのだが、無性にさみしくなってテキストエディタを開くことにした。マウスの横にはオレンジ色のジュリアナ扇子がある。父親が巨人戦に行った土産である。これをヒラヒラさせながら巨人を応援するのだろうか。気が狂っている。
 
歯医者通いが続いている。短い時間で済ませてくれるのでいいのだが、滅入る。私はここまで虫歯持ちなのかと思うと滅入る。治療が続くさなか、ドリアンチップスをかんだら左右の奥歯ががっつり欠け凹んだ。今日はがっつりやられた奥歯でなくサイドが少しやられた歯を削られ薬をつけ埋められた。小遊三似の毒舌塩医師に「磨き残しありますからね、きちんと磨いてくださいね」と言われ削られる。実家暮らしのため深いこと考えず医者に行けるのはいいが、我が家もそこまでリッチではないし厳しい経済状況にある。週に一度飛んでいく飛んでいく治療費を思うと憂鬱になる。ただでさえ雨の日でダウナーだというのに。
 
数日前ご贔屓のライブへ行った。ご贔屓は開演前ふらっと外に出て一服する人なので偶然ばったり出くわすことがよくある。軽く会釈し「あ、どうも」となることが多い。久々にご贔屓ひとり舞台を見に行ったため潜在的にナーバスになっていたのだろう。いつも通りハコの近くで一服してる姿を見て気恥ずかしくなって帽子を目深にかぶり他人のふりして通り過ぎた。その後韓国料理屋のメニューをみてチゲ1000円以下とか安いな……と思ったのちUターンした。もっとご贔屓と目が合う配置になっており、私はアホかと思った。幸いご贔屓は気づかなかったが。結局また箱の前を通り過ぎまた箱に戻った。アホである。哀れである。箱の前数100mを一周した。この哀れな自意識をどうか愛してほしい。
 
その日はギリギリまで丁稚奉公し、前日は潜在的な興奮のためか寝不足だった。イキって数か月ぶりにスカートをはきパンプスを履いたら電車の冷房にやられた。ご贔屓の好きな曲の前に「くるぞ……」と思ってお酒を何杯か一気に飲んだら飛べたがその後すこぶるおなかの調子が悪くなった。アホですね。ご贔屓の演奏を目に焼き付けたいが腹が痛いという笑止の沙汰である。また同志が少ないため同志との邂逅が嬉しく開演前ご贔屓一切関係ないことをのたまっていた。アホである。ご贔屓は素敵だった。相も変わらずどうしようもないほどディスコミュニケーションを歌っていた。ご贔屓の曲の君とぼくは同じところにいても同じところにいなくて、聞くたび切なくなった。たまにこっぱずかしくなるけど、ここまで抒情性あふれる作品作れるのが羨ましくなって、なんだか嫉妬しそうになった。ファンだけど。終演後、感想のようなものを伝えられ良かった。好きな人に言葉を伝えられるのは生きている特権だと書いているブログを見たことがある。死にたいと同時に思うが生きててよかったと思うし生きるしかねぇと思う。ご贔屓を見届けたいな、と思う。この人の作品を、創作する人としてどこへ向かうのかを。
 
終演後、同志たちと喫茶店へ行った。とりあえずおなかを落ち着けるため紅茶とパンを注文しようと思ったら財布がスッカラカンで現実に引き戻された。親切にも紅茶とパンをゴチになってしまった。初めて会った得体の知れない野暮天田舎娘にここまでしていただき言葉もない。こんどお茶おごります。人間っていいな、ニューウェイブっていいな、ロックっていいな。
 
明日は授業がある。何も準備していない。午後からだと油断してこの時間になっても何もしなくなる。もう少しちゃんと生きたい。歯学部中退のご贔屓もどうやら銀歯持ちなのを思い出し生きていこうと思う。治療してる時の私の顔はきっとまともではない。ひきつった人の顔を見ながら治療を施すのだから、歯医者はやはりなるのに並々ならぬものがいる。どんなにカッコつけた人も、怖そうなラッパーも歯医者の前では残念な顔をしているのである。そんな顔を想像して微笑しながら生きていこうと思う。